「天使の贈り物」(angel's gift)- アメリカ
昔々、アメリカの小さな街に、エミリーという心優しい女の子が住んでいました。
エミリーは貧しい家に生まれましたが、いつも笑顔で、人を助けるのが大好きでした。
冬が近づくと、街は冷たい風に包まれました。
エミリーの家には暖炉もなく、古い毛布一枚で寒さをしのいでいました。
それでも、彼女は「きっと良いことがある」と信じていました。
ある晩、エミリーが街の広場を歩いていると、ひとりの年老いた女性が道端に座っていました。
女性は薄い服を着て、震えていました。
エミリーは自分の古いマフラーをそっと女性に巻いてあげました。
「ありがとう、優しい子ね。
」女性はほほえみ、エミリーの手を握りました。
その夜、エミリーが眠っていると、夢の中に美しい天使が現れました。
天使はやさしく微笑みながら言いました。
「エミリー、あなたの優しさにお礼をしにきました。
あなたが人を助ける心を持ち続ける限り、この袋から必要なものが出てくるでしょう。
」
天使が手渡したのは、小さな金色の袋でした。
エミリーが目を覚ますと、その袋は本当に枕元に置かれていました。
「本当に魔法の袋なの?
」エミリーはおそるおそる袋の口を開きました。
すると、中からは温かい毛布がふわりと出てきました!
エミリーは大喜びで、母親と一緒にその毛布にくるまりました。
しかし、それだけではありませんでした。
次の日、街の冷え切った家々を見て、エミリーは考えました。
「この袋を使えば、みんなを助けられるかもしれない!
」
彼女は袋にそっとお願いしました。
「お腹をすかせた人たちのために、食べ物をください。
」すると、袋の中から焼きたてのパンや温かいスープが出てきました。
エミリーはそれを街の貧しい人たちに配りました。
すると街の人びとは驚きながらも、とても喜びました。
「エミリー、ありがとう!
こんなに素晴らしい贈り物をもらったのは初めてだよ!
」
それからというもの、エミリーは困っている人がいるたびに、袋に願いをかけました。
そして袋はいつも、必要なものを届けてくれました。
けれども、街にはエミリーの袋をねたむ者もいました。
ある日、欲張りな商人がエミリーの家を訪ね、「その袋を売ってくれ。
いくらでも払うぞ」と言いました。
エミリーは首を横に振りました。
「この袋は、お金のためにあるんじゃないわ。
困っている人を助けるためのものよ。
」
商人は悔しそうに帰りましたが、夜になるとこっそりエミリーの袋を盗んでしまいました!
次の朝、商人は袋を振りながら、「金貨をくれ!
」と叫びました。
けれども、袋から出てきたのはただの石ころでした。
何度お願いしても、何も出てきませんでした。
「どういうことだ…?
」商人が困っていると、どこからか天使の声が聞こえてきました。
「この袋は、優しい心を持つ者だけが使えるのです。
」
商人はがっかりしながら、袋をエミリーに返しました。
エミリーは笑顔で袋を受け取り、また人びとのために使い始めました。
そして街は少しずつ豊かになり、誰も寒さや空腹に苦しむことがなくなりました。
エミリーの優しさは、街の人びとの心にも広がり、みんなが助け合うようになりました。
そして、エミリーの袋はいつまでもなくならず、愛と幸せを届け続けました。
おしまい。
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