「天空の王国」(kingdom in the sky)- インディアン・アメリカン
昔々、広大な草原と山々が広がる大地に、優れた戦士たちと平和を愛する人びとが住んでいました。
その中で最も美しいとされていたのは、天空に浮かぶ神々の王国でした。
そこでは、太陽の光と月の影が交互に輝き、星々が一晩中空を飾り続けていました。
人びとはその王国を「天空の王国」と呼び、その伝説を語り継いでいました。
その王国には、「アトラス」という名前の王様が住んでいました。
アトラスはとても賢く、優しい王でしたが、彼には一つの悩みがありました。
それは、天空の王国と地上の世界との間に橋がなく、どちらの世界も完全にはつながっていなかったことです。
王は、そのギャップを埋める方法をずっと考えていました。
ある日、アトラス王は夢の中で神々からの啓示を受けました。
それは、「地上の大地に住む純粋な心を持った若者を天空の王国に招き、二つの世界をつなぐ架け橋を作りなさい」というものでした。
目を覚ましたアトラス王はすぐに、その若者を探すための旅を決意しました。
彼は、地上にいる賢者たちに尋ね、最も純粋な心を持つ者が誰かを聞きました。
その答えは、若い少年「トーマス」という名前の者だと教えられました。
トーマスは、誠実で他者を思いやる心を持ち、村人たちからも慕われていました。
アトラス王はトーマスを天空の王国に招き、彼に二つの世界をつなぐ使命を託すことにしました。
トーマスは初めは信じられない気持ちでいっぱいでしたが、神々の意志を感じ取った彼は、王様の招待を受け入れる決意をしました。
天空の王国に到着したトーマスは、王様から不思議な石を授かりました。
この石は、空の上に浮かぶ橋を作り出す力を持っていると言われていました。
しかし、橋が完成するには、トーマスの心の中にある「最も純粋な思い」が必要だと告げられました。
そこでトーマスは、何度も何度も試みましたが、なかなか橋を作り上げることができませんでした。
何日も何日も、心を込めて石を持ち、空を見上げていたのです。
ある晩、月が明るく照らす中で、トーマスは深く考え込みました。
彼は突然気づきました。
「この橋を作るのは、ただ単に願うことではなく、心から愛し、他者を思いやることだ」と。
その瞬間、トーマスの心は完全に澄み、愛と誠意に満ちたものとなりました。
すると、石が輝き始め、空に向かって一本の橋が現れたのです。
その橋は、天空の王国から地上の世界へとつながり、二つの世界が一つに結びつきました。
天空の王国と地上の王国が繋がったことで、両者は互いに助け合い、繁栄し続けました。
トーマスは王国の英雄として讃えられ、王様アトラスと共に、天空と地上の平和を守り続けました。
そして、今もなお、この物語はインディアン・アメリカンの間で語り継がれています。
天空の王国は、愛と誠実な心があれば、どんな困難でも乗り越える力を持っているという教訓を与えてくれます。
おしまい。
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