「小人と金の鳥」(The Dwarf and the Golden Bird)- フランス
昔々、フランスの美しい森の中に、ひとりの小人が住んでいました。
その小人は、小さな家の中で静かに暮らしており、毎日木の実を拾ったり、花を育てたりして過ごしていました。
小人の名前はマルセル。
彼は、森の中で一番幸せな小人だと思っていました。
どんな日でも、鳥のさえずりや風の音に包まれ、心が安らぐ毎日を送っていたからです。
ある日、マルセルがいつものように森を歩いていると、突然、森の奥から金色に光るものが飛び出してきました。
それは、まるで夢のような光を放つ金の鳥でした。
その鳥は、羽を広げるたびに、金色の光をまき散らしながら空を飛んでいました。
マルセルはその美しさに目を奪われ、しばらくその鳥を見上げていました。
「この鳥は、なんて美しいんだろう!
」とマルセルは思わず声をあげました。
金の鳥は、ふわりとマルセルの目の前に降りてきました。
そして、小さな声でこう言いました。
「マルセル、小さな小人よ。
私は、森の守り神から与えられた使者です。
君には一つ、特別な試練を受ける準備ができているかもしれません。
」
マルセルは驚きましたが、勇気を振り絞って答えました。
「はい、試練を受けてみます。
何をすればよいのですか?
」
金の鳥は静かに羽ばたきながら言いました。
「君の家にある小さな泉に、森の生命を守るための魔法の水を注いでほしいのです。
しかし、その水は森の奥深くにある、古い魔法の池から取らなくてはなりません。
その池は、迷いの森の中に隠れていて、簡単にはたどり着けません。
だが、君が正直な心で試練に立ち向かえば、必ず道は開けるでしょう。
」
マルセルはその言葉を聞いて、決意を固めました。
「私は必ずその水を手に入れます。
森を守るために。
」
金の鳥は、羽を大きく広げて飛び立つと、空高く舞い上がりました。
「君が正しい道を選んだことを願っているよ。
気をつけて。
」
マルセルは、金の鳥の言葉を胸に抱きながら、迷いの森に向かって歩き出しました。
森は薄暗く、どこもかしこも似たような道が続いていました。
マルセルは心を落ち着け、慎重に進みました。
途中で何度も道に迷いそうになりましたが、他の動物たちの助けを得て、ついに魔法の池にたどり着くことができました。
池の水は、まるで鏡のように静かで美しく、金色の光を放っていました。
マルセルはその水を慎重に汲み、心の中で誓いました。
この水で森を守り、金の鳥に恩返ししようと。
池から戻る途中、マルセルは再び金の鳥に出会いました。
金の鳥は微笑んで言いました。
「君は見事に試練を乗り越えました。
この水を持ち帰り、森の泉に注ぐことで、森の生命は守られるでしょう。
」
マルセルは、金の鳥に感謝の気持ちを伝え、家に戻りました。
森の泉に魔法の水を注ぐと、すぐに泉の水は輝き、森全体に生命力が満ちていきました。
木々が青々と茂り、花が咲き誇り、鳥たちが楽しそうにさえずり始めました。
マルセルは自分の役目を果たし、再び平和な日々が訪れたことを喜びました。
そして、金の鳥が言った通り、森は今後もずっと守られ続けました。
おしまい。
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