「山の魔女と勇敢な少年」(La strega della montagna e il ragazzo coraggioso)-イタリア
他言語版
昔々、イタリアの小さな村に、一人の勇敢な少年が住んでいました。
彼の名前はマルコ。
マルコは、村人たちが恐れている山の奥に住む魔女の話をよく聞いていました。
その魔女は、山の中に住んでおり、夜になると恐ろしい声で叫び、村を恐怖に陥れていたのです。
村の人びとは、魔女が呪いをかけて村を滅ぼすのではないかと心配していました。
どんなに祈っても、魔女は山から出てこなかったのです。
しかし、マルコは村の人びとが怖がることを不思議に思っていました。
彼はいつも、魔女の正体を確かめるために、山に登ることを決心していました。
ある晴れた日の朝、マルコは家を出て、山に向かいました。
道は険しく、木々が深く茂り、途中で何度も迷いそうになりましたが、マルコは恐れずに進みました。
心の中で、「村の人びとを救うために、僕は恐れずに進まなければ」と強く思いながら歩きました。
山の頂上に近づくと、突然、ひんやりとした風が吹き、何か不吉な気配が漂い始めました。
そして、ついに魔女の住む家が見えてきました。
それは大きな岩の中に隠れた小屋のようなもので、周りには薄暗い雰囲気が漂っていました。
マルコは足を止めることなく、その小屋の扉を叩きました。
「誰だ、そこにいるのは?」と、恐ろしい声が聞こえてきました。
マルコはしっかりと胸を張り、答えました。
「私はマルコ、村の者です。
魔女様、あなたが何をしているのか知りたくて来ました。
」
しばらくの沈黙の後、扉がゆっくりと開きました。
中から現れたのは、背が高く、顔にシワの多い老婆でした。
彼女の目は冷たい輝きを放っていましたが、マルコは怖がらずに立っていました。
「お前、よくこんな所に来たな。
だが、わたしの力を知ったら後悔するだろう。
」
マルコは力強く言いました。
「村を助けるために、あなたと話をしたいだけです。
どうして人びとを怖がらせるのですか?」
魔女はしばらく黙っていましたが、やがて言いました。
「私は決して人びとを傷つけたりはしない。
ただ、山の奥深くに眠っていた力を覚醒させたかっただけだ。
だが、人びとは私を恐れ、誤解しているのだ。
」
マルコは驚きました。
「では、あなたは悪い魔女ではないのですか?」
魔女は静かに頷きました。
「その通りだ。
しかし、力を手に入れることで孤独になり、恐れられるようになってしまった。
」
マルコはその言葉を胸に刻みました。
「あなたが悪い魔女ではないことが分かりました。
村の人びとにも、あなたのことを知ってほしい。
」
魔女はしばらく黙って考え込みましたが、やがて言いました。
「お前がそこまで言うなら、私は試してみよう。
だが、お前も勇気を持ち続けてくれるか?」
マルコは強く頷きました。
「もちろんです。
」
そして、魔女は不思議な力を使い、山の中の風景を変えました。
緑の木々が生い茂り、花が咲き誇り、まるで魔法のような世界が広がりました。
「これで、村の人びとも恐れることなく、この山を歩けるようになるだろう。
」
マルコは村に戻り、魔女の真実を伝えました。
最初は恐れていた村の人びとも、マルコの話を聞いて、魔女の優しさを理解しました。
そして、村と山は再び平和を取り戻したのでした。
マルコは村の英雄となり、魔女ももう恐れられることなく山に住んでいました。
村と魔女、そして自然が調和を保つことができたのです。
おしまい。
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