「山羊のブリッケとトロル」(Billy Goats Gruff)-ノルウェー
他言語版
昔々、あるところに、ブリッケという名前の三匹の山羊がいました。
三匹は兄弟で、小さい山羊、中くらいの山羊、大きな山羊がいました。
彼らは山のふもとに住んでいましたが、食べる草が少なくなってきたので、山の向こうの緑の草原へ行くことにしました。
しかし、その草原へ行くには、大きな川にかかる橋を渡らなければなりません。
そして、その橋の下には、恐ろしいトロルが住んでいるというのです。
トロルは大きくて乱暴で、橋を渡る者を捕まえて食べてしまうと噂されていました。
まず最初に、一番小さな山羊のブリッケが橋を渡りに行きました。
橋をカタコトと小さな足音を立てながら渡っていくと、突然、橋の下から恐ろしい声が響きました。
「だれだ、わしの橋をカタコト鳴らして渡るのは!
」
小さなブリッケは震えながら答えました。
「ぼくは小さな山羊のブリッケ。
おいしい草を食べに行くんだ。
」
「そうか、それならおまえを食べてやろう!
」トロルが叫びました。
「待って!
ぼくを食べるより、もう少し待ったほうがいいよ。
すぐ後ろに、ぼくよりもっと大きな兄さんが来るから!
」
トロルはそれを聞いて、「そうか、それならもっと大きな山羊を食べることにしよう。
」と言い、小さなブリッケを通しました。
しばらくすると、今度は中くらいの山羊のブリッケが橋を渡り始めました。
橋が少し揺れ、カタコトと足音が響きます。
すると、またトロルの恐ろしい声が聞こえてきました。
「だれだ、わしの橋をカタコト鳴らして渡るのは!
」
中くらいのブリッケは勇気を出して答えました。
「ぼくは中くらいの山羊のブリッケ。
おいしい草を食べに行くんだ。
」
「そうか、それならおまえを食べてやろう!
」トロルが言いました。
「待って!
ぼくよりももっと大きな兄さんが後ろから来るよ。
そっちのほうが食べごたえがあるよ!
」
トロルはそれを聞いて、「そうか、それならもっと大きな山羊を食べることにしよう。
」と言い、中くらいのブリッケを通しました。
そして最後に、一番大きな山羊のブリッケが橋にやってきました。
彼の足音はドシンドシンと大きく響き、橋が大きく揺れました。
「だれだ、わしの橋をドシンドシン鳴らして渡るのは!
」
トロルが怒鳴ると、大きなブリッケは力強く答えました。
「おれは一番大きな山羊のブリッケだ!
」
「そうか、それならおまえを食べてやろう!
」トロルは叫びました。
「やれるものなら、やってみろ!
」
大きなブリッケは勢いよくトロルに突進し、するどい角でトロルを持ち上げると、そのまま川に投げ飛ばしてしまいました。
トロルは大きな水しぶきを上げ、流れの速い川に飲み込まれて、二度と戻ってくることはありませんでした。
こうして、三匹の山羊のブリッケは無事に橋を渡り、山の向こうの緑の草原へたどり着きました。
そこには、おいしい草がたくさん生えていて、三匹はお腹いっぱい食べて幸せに暮らしました。
おしまい。
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