「庭師のうた」(Canción del jardinero)-アルゼンチン
庭師のうたはアルゼンチンの物語です。
昔々、あるところに、小さな庭を大切にしているおじいさんがいました。名前はミゲルさん。みんなは「おはなのミゲル」と呼んでいました。
ミゲルさんの庭は、色とりどりのお花でいっぱいでした。赤いバラ、黄色いチューリップ、青いヒヤシンス、それに、ちいさな白い花たちも、そよ風にゆれてニコニコしているようでした。
朝になると、ミゲルさんはお水の入ったジョウロを持って、「さあ、みんな、おはよう。今日も元気に咲いてね」と声をかけながらお水をあげます。
「ミゲルおじいさんは、うたをうたう庭師だよ!」と、近くに住む子どもたちは話していました。
ある日、ミゲルさんは新しい歌をうたいながら庭をまわっていました。
♪ おはなとおしゃべり そよかぜとおどる
ひまわりもゆれて にこにこわらう
こんにちは、ミツバチ こんにちは、ちょうちょ
きょうもいちにち たのしいな ♪
その歌を聞いた小鳥たちも「チュンチュン」と歌い、猫のミミも「にゃーん」とあいの手を入れました。庭はまるでコンサート会場のようになりました。
子どもたちもやってきて、「ねえ、ミゲルおじいさん、そのうた、おしえて!」とお願いしました。
ミゲルさんはにっこり笑って、子どもたちといっしょにうたをうたいながら、花にお水をあげたり、草をとったりしました。
それから毎朝、子どもたちは庭に集まって、ミゲルさんといっしょに「庭師のうた」をうたいました。お花たちもますます元気に咲いて、庭はにぎやかでやさしい音楽でいっぱいになりました。
ミゲルさんは言いました。「お花も、歌も、心をこめれば、ちゃんと育つんだよ。」
そして、今でもその庭では、だれかが「庭師のうた」をうたっているかもしれません。お花と、風と、小鳥と、そして子どもたちの声で。
おしまい。
シェア