「月の姫」(Princess of the Moon)- ロシア
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昔々、ロシアの広大な雪原に、月の王国がありました。
月の王国は、空高く輝く月の光の中に住む神秘的な存在たちが治めていました。
その国には、美しい月の姫が住んでいて、彼女の名前はセリーナと言いました。
セリーナは、月の神々の中でも最も慈悲深く、優しい心を持っていました。
彼女の存在は、月の光が夜空を照らすように、村人たちに希望と安らぎを与えていたのです。
しかし、月の王国にはある大きな秘密がありました。
それは、月の姫が地上に降りることができないということでした。
月の神々は彼女を大切にし、月の光の中でのみ生きるように命じていたのです。
セリーナはその命令を守り続けていましたが、時折、地上に降りて人びとと触れ合いたいという強い願望を抱くことがありました。
ある晩、セリーナはその思いを胸に、月の神々に問いかけました。
「どうして私は地上に降りて、村人たちと直接会うことができないのでしょうか?
私は彼らに直接、希望と愛を伝えたいのです。
」
月の神々は静かに彼女の問いを聞き、しばらく黙っていました。
そして、ついに一人の神が言いました。
「セリーナ、地上の人びとはあなたの光を求めているかもしれませんが、あなたが降りることで、彼らの世界に混乱と不安をもたらすかもしれません。
あなたの光は美しく、強いものですが、それが逆に彼らを傷つけることもあるのです。
」
セリーナはその言葉に深く悩みました。
彼女は月の神々の意図を理解しましたが、それでも地上に降りて人びとと触れ合うことが自分の使命だと感じていました。
しばらく考えた後、彼女は決意を固めました。
「私は月の光を地上に届けます。
私は、もしもそのことで誰かが傷つくのであれば、私がその痛みを背負う覚悟です。
」
月の神々は驚きましたが、セリーナの強い決意を感じ取って、ついに彼女に特別な許可を与えました。
「セリーナ、お前がその覚悟でいるのならば、一晩だけ地上に降りることを許す。
しかし、その後、お前が再び月の王国に戻らなければならないことを忘れてはならない。
」
セリーナはその許可を受け、ついに月の光をまとって地上に降り立ちました。
彼女が降りた場所は、広い森の中にある小さな村でした。
村人たちは、突然現れた月の光に驚きましたが、セリーナの優しい微笑みに心を打たれ、彼女を歓迎しました。
セリーナは村人たちに温かい言葉をかけ、夜の間に村の人びとと共に過ごしました。
彼女は彼らに、愛と希望の大切さを伝え、心の中に抱える不安や悩みを解きほぐす手助けをしました。
村の人びとは、セリーナの優しさとその光に感謝し、夜が明けるまで彼女と共に過ごしました。
しかし、夜が明けると、セリーナは月の神々の命令に従い、再び月の王国へ戻らなければならないことを思い出しました。
村人たちは別れを惜しみましたが、セリーナは微笑みながら言いました。
「私の光はいつでも皆さんの中にあります。
どんな時でも、私は皆さんの心の中にいます。
」
セリーナは再び月の光をまとい、空高く舞い上がりました。
村人たちはその光を見送りながら、心の中で彼女の優しさを忘れませんでした。
そして、セリーナは月の王国へと戻り、再び月の神々に仕えることとなりました。
その後、月の姫セリーナの光は、夜空を照らし続けました。
そして、村の人びとは、彼女の光を思い出しながら、どんな困難にも立ち向かう勇気と希望を持ち続けました。
おしまい。
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