「月の雫」(Moon Drops)- アメリカ
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昔々、アメリカの広大な大地に、月の光が降り注ぐ美しい湖がありました。
その湖の名前は「シルバームーン湖」。
夜になると、湖の水面に月の光がきらきらと反射し、まるで湖が銀色に輝いているようでした。
この湖には不思議な伝説がありました。
それは、月の雫と呼ばれる神秘的なものが湖に落ちるというものです。
月の雫とは、毎月の満月の夜、月の光が湖に触れたときに現れる小さな光の粒のこと。
伝説によれば、その雫を一粒手に入れることができれば、どんな願いでも一つだけ叶うと言われていました。
多くの人々がその雫を求めて湖に来ましたが、誰一人としてその雫を手に入れることはできませんでした。
それは、月の雫が誰にでも与えられるものではなく、心から純粋な願いを持つ者にだけ現れるとされていたからです。
物語は、ある若い女性、エミリーの話から始まります。
エミリーは、シルバームーン湖の近くに住む村の少女で、月の雫の伝説を聞いて育ちました。
彼女は毎晩、満月の夜になると湖のほとりに座り、月の光が湖に反射する様子を眺めるのが大好きでした。
エミリーには、長い間病気で苦しんでいる小さな弟がいました。
彼女はその弟を助けたくて、何度も月の雫が現れる夜に湖に祈りを捧げました。
「月の雫よ、どうか私の弟を治してください」と、エミリーは毎晩、月を見上げて心から願っていました。
ある晩、いつものように湖のほとりに座っていると、満月の光が特に強く輝き、湖がまるで銀のように輝き始めました。
エミリーは目を閉じて、深く深呼吸をしました。
その瞬間、何かが変わったのです。
彼女の目の前に、一粒の光の雫が現れました。
それはまるで月の光が湖面に落ちたかのように、きらきらと輝いていました。
エミリーは驚きながらも、その雫を手に取りました。
そして、心からの願いを込めて、再び言いました。
「私の弟を、どうか元気にしてください。
」
すると、その瞬間、雫はエミリーの手の中で静かに輝き、やがて消えていきました。
翌朝、エミリーは目を覚まし、驚くべきことに、弟が元気を取り戻していることに気づきました。
彼の顔色は良くなり、笑顔を見せていたのです。
エミリーは涙を流しながら、感謝の気持ちを月に向かって伝えました。
彼女の心からの純粋な願いが通じ、月の雫はその力を発揮したのでした。
その後、エミリーは村の人々に月の雫の話を伝えましたが、彼女は決してその力を乱用しませんでした。
月の雫はただ一つの純粋な願いにしか力を貸さないことを知っていたからです。
エミリーは、どんな時も他の人々を助けることができるような心の強さと優しさを大切にし、月の雫に感謝し続けました。
そして今もなお、シルバームーン湖のほとりには、月が輝く夜、誰かの願いがこだまするたびに、月の雫が静かに湖に落ちると言われています。
おしまい。
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