Onedollar Wanderer

「死の湖」(The lake of death)- ノルウェー

死の湖は ノルウェーの物語です。

昔々、ノルウェーの奥深い山々の間に、誰も近づかない湖がありました。

その湖は「死の湖」と呼ばれ、周りの村人たちは恐れてその近くには足を踏み入れることすらしませんでした。

湖の水は黒く濁り、昼でもまるで夜のように暗く見えました。

その湖には恐ろしい伝説があったのです。

伝説によれば、昔、湖の深みには不死の魔物が住んでおり、その魔物は湖に近づいた者を引き込んで、永遠に彼らの魂を奪うと言われていました。

そのため、村人たちは何世代にもわたって、この湖を避け続けました。

しかし、若い勇敢な男、エリックだけはその伝説を信じませんでした。

エリックは、父から聞いた話を思い出していました。

父親がかつて、死の湖の近くで働いていた頃、湖の水が奇妙に澄んでいたことがあったと言います。

そこでエリックは決心しました。

死の湖に行き、その恐ろしい伝説を解き明かし、湖の謎を解決しようと。

ある日の朝、エリックは家族に別れを告げ、湖の方へ向かいました。

途中、彼は何度も迷いそうになりましたが、心の中で強い決意を持って進み続けました。

そして、とうとう死の湖の岸辺にたどり着いたのです。

湖の前に立ったとき、エリックは不安と興奮が入り混じる気持ちを抱えていました。

湖の水はどこまでも黒く、まるで何かが底から彼を見つめているようでした。

しかし、エリックは決して後退せず、一歩一歩湖のほとりに近づきました。

そして、その時、湖の水面が揺れ、巨大な影が水面から浮かび上がりました。

それは恐ろしい魔物で、その目は燃えるような赤い色をしていました。

エリックは立ちすくみましたが、心の中で強く思いました。

「私は恐れない。

私はこの湖の秘密を解き明かす。

突然、魔物は低い声で語りかけてきました。

「お前は何をしに来た?

我が湖に足を踏み入れる者は、必ず命を落とすと決まっているのだ。

エリックは恐れることなく答えました。

「私はこの湖の秘密を解き明かすために来た。

お前が本当に恐ろしい存在ならば、私はその力に立ち向かう。

魔物は驚いたように目を見開きました。

「お前は勇敢だな。

しかし、我が力を試すことは、命をかけることだ。

だが、お前が湖の深みを訪れることを望むならば、ただ一つの試練を受けなければならない。

エリックは何のためらいもなく、試練を受けることを決心しました。

すると、魔物は指を鳴らし、湖の水が急に動き出しました。

水の中から無数の影が現れ、エリックに襲いかかってきました。

だが、エリックは冷静に立ち向かい、心の中で「私は恐れない、私は進み続ける」と繰り返しました。

その強い意志が通じたのか、魔物は突然笑い声を上げました。

「よくやった。

お前は本当に勇敢だ。

実は、私はただの試練を出していただけだ。

私の力は、お前の恐怖に打ち勝つ力を試すためのものだった。

すると、水面がゆっくりと静まり、魔物の姿は消え去りました。

湖の水は澄み渡り、エリックは湖の真実を理解しました。

実は、この湖は昔、魔物が人びとの恐怖から力を得ていたのです。

しかし、勇気を持って立ち向かう者が現れると、その力は消え去ることができるのだということを。

エリックは湖を離れ、村に戻りました。

彼の帰還を待っていた村人たちは、彼の話を聞き、そして死の湖の恐怖が解けたことを知りました。

それからは、村の人びとは自由に湖の周りを歩き、湖の美しい景色を楽しむことができました。

エリックは、勇気があればどんな恐ろしいものでも克服できることを教えてくれたのでした。

おしまい。