「永遠の子供」(Eternal Child)- スウェーデン
昔々、スウェーデンの広大な森の中に、小さな村がありました。
その村には、年老いた王と彼の唯一の子供である王女が住んでいました。
王女はとても美しく、賢く、村の人々から深く愛されていました。
しかし、彼女にはひとつだけ大きな悩みがありました。
それは、彼女がずっと「子供のような心」を持ち続けていたことです。
王女は年齢を重ねても、他の大人たちが持っているような大人の知恵や決断力がなかなか身につきませんでした。
彼女は毎日、森で遊び、花を摘み、空を見上げては夢を見ていました。
どんなに大人にならなければならないと言われても、王女はそのまま子供のような純粋な心を持ち続けたのです。
ある日、王女は森の中で不思議な老人と出会いました。
その老人は、長い白いひげをたくわえ、手には古びた杖を持っていました。
彼の目は深い知恵と謎をたたえており、王女は思わず話しかけました。
「あなたは一体誰ですか?
」
老人はにっこりと微笑みながら答えました。
「私は『永遠の命の守り手』だよ。
君のように、心の中に永遠に子供のような純粋さを持ち続ける者には、特別な力を授けることができる。
」
王女は興味津々で聞きました。
「特別な力とは、どんな力ですか?
」
「それは、君がどんな時でも、心の中で永遠に子供のような純粋さを保ち、他の人々にもその心を伝えることができる力だ。
しかし、その力には大きな責任も伴う。
君はその力を使って、世界に幸せをもたらすことができるが、その代わりに、君は決して年を取らず、ずっと子供のような心を持ち続けることになる。
」
王女はその言葉をじっと聞き、考え込みました。
「私はずっと子供でいたいと思っていたけれど、それが永遠に続くということは、他の人々と一緒に大人になったり、成長したりできなくなることを意味するのかもしれない。
」
老人はうなずきました。
「そうだ。
しかし、君が選ぶべき道は、ただ一つだ。
心の中で子供の純粋さを保ちながらも、世界のためにその力を使っていくのか。
それとも、普通の大人としての生活を選ぶのか。
」
王女はしばらく沈黙して考えました。
彼女は確かに永遠の子供でいることを望んでいましたが、同時に大人として成長し、村の人々に何かを教える存在になりたいという思いもありました。
結局、王女はこう決めました。
「私はその力を使って、世界をより良くするために生きたい。
でも、大人になることは選ばない。
私は子供の心を持ちながらも、心の中で常に純粋さと愛を持ち続けることで、世界を照らしたい。
」
その瞬間、老人は微笑んで杖を地面に突きました。
「君は賢明な選択をした。
これから君は、どんな状況でも他の人々の心を温かくし、幸せをもたらす力を持つだろう。
しかし、忘れてはならないことが一つだけある。
君が永遠の子供であることを選んだその日から、他の人々が成長し、年を重ねていく様子を見守ることになる。
そして、そのことに寂しさや孤独を感じても、君はそれを受け入れなければならない。
」
王女は深くうなずきました。
「私はその覚悟を持って、この力を受け入れます。
」
老人は満足そうに微笑み、王女に力を授けると、静かに森の中へ消えていきました。
王女はその後もずっと、子供のような純粋な心を持ち続けながら、人々に愛と希望を与える存在となりました。
しかし、彼女はどんなに人々の幸せを願っても、永遠に年を取らないことの寂しさを感じることもありました。
そして王女は気づきました。
永遠に子供でいることは、決して楽なことではなく、それを選んだことで、孤独や悩みも背負うことになったことを。
でも、彼女はそれを受け入れ、愛と純粋さを大切にしながら、世界を照らし続けたのでした。
おしまい。
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