「猫とネズミの喧嘩」(The Cat and the Mouse Fight)-ロシア
昔々、ロシアの小さな村に、猫とネズミが住んでいました。
村の家々には、どこにでも猫がいて、ネズミが住みついていました。
猫はネズミを追いかけるのが大好きで、ネズミはいつも逃げ回っていました。
しかし、ある日、猫とネズミがとうとう喧嘩を始めてしまうのです。
ある日の朝、猫は庭で寝転んでいると、ネズミがそっと通りかかりました。
猫はすぐに目を覚まし、「あっ!
ネズミだ!
」と声をあげました。
すると、ネズミはすぐに逃げ出しました。
「逃がすものか!
」と、猫は追いかけ始めました。
ネズミは素早く家の中に飛び込み、ドアを閉めました。
猫はドアの前でじっと待っていました。
「出ておいで、ネズミ!
」猫は低い声で言いました。
ネズミは中から怖がりながら答えました。
「私は外には出ないよ!
あなたはいつも私を追いかけてばかりだから!
」猫は少し考えました。
「そうか、追いかけるだけじゃダメだな。
今度はちょっと違う方法でやってみよう。
」
次の日、猫はまたネズミの家の前で待っていました。
しかし、今日は何かが違いました。
猫はしばらくすると、優しい声で言いました。
「ネズミさん、今日は喧嘩はしたくないんだ。
実は君にお願いがあるんだ。
」ネズミは驚きました。
「お願い?
私は猫にお願いされたことなんてないわ!
」と、ちょっと警戒しながら言いました。
「私はずっと君を追いかけてばかりだった。
でも、君がどんなふうに過ごしているのか、少し興味が湧いてきたんだ。
」猫は続けました。
「君は毎日何をしているのか、どんな暮らしをしているのか、教えてくれないか?
」
ネズミはしばらく黙って考えました。
猫が本当に悪意なく話しているのか、それとも何か企んでいるのか。
けれども、猫の優しい目を見て、ネズミは少しだけ安心しました。
「それなら教えてあげるわ。
」と言って、ネズミは猫に自分の家の中を案内し始めました。
ネズミの家はとても小さく、隠れ家のような場所でした。
そこにはたくさんのチーズやナッツが積まれていて、ネズミはそれを大切にしていました。
「これが私の食べ物よ。
」ネズミは誇らしげに言いました。
「でも、毎日こうしてチーズを少しずつ食べることが楽しいんだ。
」
猫はその様子を見て、驚きました。
「君は、こんなに少しずつ食べて楽しんでいるのか?
」猫は不思議そうに言いました。
「私は毎日お腹いっぱいになるまで食べるのが普通だと思っていたけれど、君はそうじゃないんだね。
」
その後、猫とネズミはしばらく話を続けました。
猫はネズミがどれほど賢く、計画的に生活しているかを理解し、ネズミは猫が実はただお腹を満たすことだけが目的ではなく、少し寂しい気持ちを抱えていることに気づきました。
「私は毎日、何かと戦っている気がしていた。
でも君と話して、少し楽になったよ。
」猫は言いました。
「君のように、小さな幸せを大切にすることを学びたい。
」
その日から、猫とネズミはお互いに対する見方が少し変わり、昔のように敵対することはなくなりました。
ネズミは猫に、時々食べ物を分けてあげることもありましたし、猫もネズミが快適に暮らせるように手助けをするようになりました。
もちろん、猫がネズミを追いかけることはなくなり、代わりに二匹はお互いに気を使いながら、平和に過ごすようになったのです。
おしまい。
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