「病の姫と魔法の果実」(The sick princess and the magic fruit)- アラビア
昔々、アラビアの広大な砂漠の奥深くに、美しい王国がありました。
この王国には、王様と王妃、そして一人の優れた姫が住んでいました。
姫の名前はサラ。
彼女はその美しさだけでなく、心優しさと賢さでも王国中で知られていました。
しかし、ある日、姫サラは謎の病にかかり、目を覚まさなくなってしまいました。
医者や賢者たちは何をしても姫を治すことができませんでした。
王国中が悲しみに包まれ、王様は泣き崩れ、王妃は一日中姫の寝室を離れませんでした。
王様は全国の医者を呼び寄せ、あらゆる薬を使っても、姫の病は一向に良くなりませんでした。
ある日、王国の一番賢い魔法使いである老賢者が、王宮にやって来ました。
彼は王様に言いました。
「この病は普通の薬では治りません。
姫を治すためには、魔法の果実が必要です。
しかし、この果実は遥か遠い山々の中、危険なジャングルの中にしか生えていません。
それを手に入れる者は非常に少なく、さらにその果実には一つの秘密があります。
」
王様は必死になって尋ねました。
「その果実を手に入れるにはどうすればよいのですか?
」
老賢者は深く息を吸ってから言いました。
「果実を手に入れるためには、最も勇敢で優しい者がその道を歩まねばなりません。
誰でもいいわけではありません。
心が純粋で、他者を思う気持ちが強い者でなければ、その果実の力を得ることはできません。
」
王様は悩みましたが、すぐに決心をしました。
「私の息子、王子アリが行こう。
彼は勇気を持ち、心が優しい。
」王子アリはすぐに出発の準備を整え、父親の命令に従って旅に出ました。
王子は、険しい山々と暗いジャングルを抜け、長い日々を過ごしました。
道中、彼は何度も困難に直面しましたが、その度に他人を助けることで道を切り開いていきました。
疲れ果てていたある日、王子は疲れた目をこすりながら、小さな家を見つけました。
その家には一人の年老いた女性が住んでいました。
年老いた女性は王子を見て微笑み、「君は旅の途中で多くの試練を乗り越えてきたようだね。
でも、君が本当に探しているものは、この山の先にある果実ではないかもしれないよ。
果実は確かに必要かもしれない。
でも、君の本当の力は、果実を持ち帰ることではなく、どれだけ他の人びとを助け、愛をもって行動できるかにかかっているんだ」と言いました。
王子アリはその言葉に驚き、深く考えました。
女性はその後、王子に魔法の果実の場所を教えてくれ、果実を手に入れるために最後の試練を超えるべきだと告げました。
王子は再び旅を続け、ついに魔法の果実を見つけることができました。
果実を手に入れた王子は、すぐに王国に戻り、病床に伏している姫にそれを捧げました。
姫がその果実を口にすると、奇跡が起きました。
姫は目を覚まし、病から解放されたのです。
王国中は喜びに沸き立ちました。
しかし、王子はその後、姫が回復したこと以上に大切なことに気づきました。
彼が果実を手に入れるために旅を続けた理由は、他人を思いやる心と助け合いの精神を持っていたからこそ、果実の力が得られたのだということでした。
王子はその教訓を胸に、今後も人びとのために尽力すると心に誓いました。
姫と王子は長い間、共に王国を治め、平和で幸せな時を過ごしました。
王国は繁栄し、愛と優しさに満ちた国となったのでした。
おしまい。
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