「盗賊と王様の牢獄」(The thief and the king's prison)-アラビア
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昔々、アラビアの広大な砂漠の王国に、賢明で力強い王様が治めていました。
王様の名はアリ王、彼の王国は平和で繁栄しており、人びとは王様の公正な統治に感謝していました。
しかし、王国にはひとつだけ問題がありました。
それは、盗賊団が夜ごとに村々を襲い、貴重な物を盗んでいくことでした。
ある晩、盗賊団が王様の宮殿にまで忍び込んできました。
彼らは王様の大切な宝物を狙っていましたが、王宮の守衛がすぐに警戒を強化したため、盗賊たちは失敗し、王様の兵士たちに捕まってしまいました。
その中に、ひとりの若い盗賊がいました。
彼の名前はサイード。
サイードは盗賊団の一員として育ち、ずっと盗みを働いてきましたが、彼の心の中にはいつも疑問が湧いていました。
どうして自分たちが他人のものを奪って生活しているのか?
そして、心の中では少しずつ変わりたいと思うようになっていたのです。
王様アリは、盗賊団の捕虜を前にして集会を開きました。
兵士たちはサイードに向かって怒りの目を向け、厳しく問い詰めましたが、王様は冷静に全員を静かにさせ、サイードに尋ねました。
「お前はなぜ盗みを働いたのか?
お前の心はどうなっているのだ?
」
サイードは王様の質問に答えることができず、しばらく黙っていました。
しかし、やがて彼は口を開きました。
「王様、私はただ、必要なものを得るために盗みを働いてきました。
貧しさに苦しんでいたのです。
しかし、今は違います。
私の心は変わりつつあります。
盗むことは罪だと、心から気づきました。
」
王様はサイードの言葉を聞き、少し考えました。
彼はサイードに対して非常に興味を持ちましたが、王国の法を守らねばならないという責任もありました。
そのため、アリ王は次のように告げました。
「サイードよ、私の王国では盗みは許されない。
しかし、君が本当に改心しているのならば、君に一つの試練を与えよう。
この試練を通して、お前がどれだけ真摯に反省しているかを見届けるつもりだ。
」
そして、アリ王はサイードを一つの難題に送り込むことに決めました。
それは、王国の最も高い場所にある巨大な牢獄に監禁されている伝説の盗賊王を捕まえることでした。
この盗賊王はかつて王国の富を奪った凶悪な犯罪者で、数年もの間逃げ続けていると言われていました。
王様はサイードに、その盗賊王を捕まえて連れ戻すよう命じました。
「もしお前がこの任務を果たせたならば、私はお前を許し、再びこの王国での新しい人生を歩むチャンスを与えよう。
しかし、もし失敗すれば、王国の牢獄に永遠に閉じ込めることになるだろう。
」
サイードは怖れながらも、王様の命令を受け入れました。
彼は牢獄の中で盗賊王を見つけ、捕まえることを決意しました。
数週間後、サイードは王国の最深部にある牢獄へと到達しました。
そこには恐ろしい怪物が住んでいると噂されていたのですが、サイードは恐れることなく牢獄に足を踏み入れました。
彼は持ち前の機転を利かせ、周囲の状況を冷静に観察し、慎重に進みました。
しばらくして、サイードはとうとう盗賊王と対面しました。
その盗賊王は、昔の凶悪な顔をしていましたが、サイードは彼を捕らえるのではなく、彼と静かに話し合うことを選びました。
「盗賊王よ、私たちの過去は関係ない。
ただ、私はこれからどのように生きるべきかを教えてほしい。
盗みを繰り返してきた我々に、もう一度生きる道を与えてくれ。
」
盗賊王はサイードの言葉に驚きましたが、しばらく黙ってから言いました。
「お前のような者が、私を捕まえるために来たのか?
だが、お前が真心から悔い改めるのならば、お前を解放してもよい。
ただし、私の後を追い、盗賊から足を洗い、誠実に生きるのだ。
」
サイードはその言葉を胸に刻み、盗賊王を王宮に連れ戻しました。
王様アリは、サイードの成長を見届け、彼に新たなチャンスを与えることに決めました。
そして、サイードは王様の信頼に応え、真心を込めて新たな人生を歩み始めました。
おしまい。
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