Onedollar Wanderer

「空を飛んだ魚」(The Fish That Flew to the Sky)-ニューカレドニア

他言語版

空を飛んだ魚はニューカレドニアの物語です。

昔々、南の海に浮かぶニューカレドニアの美しい島に、小さな魚のティノが住んでいました。

ティノは青く輝く海で元気に泳ぐのが大好きでしたが、ひとつだけ悩みがありました。

「ぼくも鳥みたいに空を飛んでみたいなあ。」

ティノは毎日、空を自由に飛び回るカモメやアホウドリを見上げては、ため息をついていました。

「魚なのに空を飛びたいだなんて、おかしな子だね」

友達の魚たちは笑いました。

でもティノはあきらめませんでした。

ある日、ティノは年老いたウミガメのトゥアに相談しました。

トゥアはゆっくりとうなずいて言いました。

「空を飛びたいのなら、風の声を聞くのじゃ。

風はすべてを知っている。

ティノは風の声を聞こうと、海面に飛び跳ねました。

すると、そよそよと吹く風が優しくささやきました。

「波と一緒に高く跳べばいいんだよ。

ティノはその言葉を信じ、何度も波に乗ってジャンプしました。

でも、すぐに海に落ちてしまいます。

「やっぱり無理なのかな。」

しょんぼりしていたティノに、今度は風がこう言いました。

「もっと遠くの風を感じてごらん。

ティノは大きな波が来るのをじっと待ちました。

そして、大きなうねりがやってくると、一気に勢いをつけて飛び跳ねました!

するとどうでしょう。

ティノの小さなヒレが風に乗り、ほんの少しの間ですが、空を滑るように飛んだのです!

「わあ!

飛べた!

ティノは大喜び。

何度も何度も挑戦し、少しずつ飛ぶ時間を長くしていきました。

その姿を見たほかの魚たちは驚きました。

「すごいよ、ティノ!

「本当に空を飛んでる!

ティノの挑戦はやがてほかの魚たちにも広がり、空を飛ぶ魚がどんどん増えていきました。

それからというもの、海の上では、風とともに舞い上がる魚たちの姿が見られるようになりました。

ティノの勇気とあきらめない心が、新しい世界を切り開いたのです。

「風の声を聞けば、きっと新しい道が見つかるよ。

ティノは風と波に感謝しながら、今日も元気に空を飛ぶのでした。

おしまい。