「貧しい少年と金の魚」(The Poor Boy and the Golden Fish)-ベトナム
他言語版
昔々、ベトナムの小さな村に、貧しい少年が住んでいました。
少年の名前はクォン。
クォンの家はとても貧しく、毎日お母さんと二人で何とか食べ物を探しながら暮らしていました。
ある日、クォンは近くの川で魚を取るために網を持って出かけました。
何時間も川で待っていたけれど、魚は一匹も釣れませんでした。
あきらめかけていたその時、突然、網に重いものがかかりました。
急いで引き上げると、それはなんと、金色に輝く美しい魚でした。
その魚は、普通の魚とはまったく違って、目が光り輝き、まるで魔法のようでした。
魚は息を吹きかけるように話し始めました。
「少年よ、私を放してくれれば、必ずお前にご褒美をあげよう。
」クォンは驚きましたが、心優しい少年は迷わず魚を川に戻しました。
すると、金の魚は感謝の気持ちを込めて言いました。
「ありがとう、少年よ。
お前の優しさに報いるために、これから三つの願いをかなえてあげる。
どんな願いでも叶えてあげるから、心を込めて考えなさい。
」
クォンはしばらく考えましたが、やがて決心しました。
「私とお母さんが幸せになれるように、家が豊かになればいいな。
」魚は微笑んで言いました。
「その願いをかなえてあげよう。
」そして、魚がひとひらの光を放つと、クォンの家には黄金の米が山積みになり、家の中は一瞬にして豪華なものに変わりました。
クォンとお母さんはびっくりしましたが、喜びのあまり涙を流しました。
次の日、クォンはもう一つの願いを思いつきました。
「お母さんが病気でずっと苦しんでいるので、元気にしてあげたい。
」金の魚はその言葉を聞き、またひとひらの光を放ちました。
すると、クォンのお母さんは急に元気を取り戻し、以前のように健康な体を取り戻しました。
クォンはとても嬉しくて、お母さんと一緒にお祝いをしました。
しかし、クォンのお母さんは、家が豊かになり、元気になったことがあまりにも嬉しくて、もう一つだけお願いしようと言い出しました。
「クォン、私たちは幸せだけど、もっともっと豊かになれば、他の人たちにも分け与えられるよ。
もう一つだけ、金の魚にお願いしなさい。
」クォンは少し迷いましたが、お母さんの言葉に従い、再び金の魚のもとへ行きました。
そして、最後の願いを言いました。
「金の魚よ、私たちの村全体が豊かになり、みんなが幸せになれるようにしてください。
」魚は優しく答えました。
「お前の優しさに感動した。
では、その願いも叶えよう。
」
その瞬間、村全体が美しく変わり、みんなが豊かになりました。
家々は立派になり、食べ物もたくさんあり、村人たちは笑顔で暮らすことができるようになりました。
クォンとお母さんは、金の魚に感謝し、幸せな日々を過ごしました。
けれど、クォンは決して忘れることはありませんでした。
どんなに願いがかなっても、優しさと誠実さを忘れずに生きることが一番大切だということを。
おしまい。
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