「賢い王と二人の商人」(The Wise King and the Two Merchants)-スリランカ
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賢い王と二人の商人はスリランカの物語です。
昔々、とある広い国に、知恵深い王様がいました。王様は正直な者をほめ、うそをつく者には決して甘い顔をしませんでした。
ある日、ふたりの商人が、王の町にやってきました。ひとりは正直者で、もうひとりはずるがしこく、平気でうそをつく男でした。
ふたりとも、王様に高価な品を見せて言いました。
「この美しい絹の布を、王様にお売りします!」
最初に現れたのは、うそつき商人でした。彼は言葉をたくみに使い、実際よりずっと高い値をふっかけました。
「これは天の国の糸で織られた布でございます!こんなもの、他にはございません!」
召使いたちは「おお、すごい!」と目を丸くしましたが、王様は静かにうなずいただけで、こう言いました。
「なるほど。あとでお金を払うので、布は置いてゆくように」
うそつき商人は喜んで布を置き、そのまま町を出ていきました。
次にやってきたのが正直な商人です。彼は頭をさげて、正しい値段を伝えました。
「これは、南の国でつくられた絹です。質はよいですが、とくべつな魔法はありません。正しい値でお売りします」
召使いたちは少しがっかりしましたが、王様はにっこり笑って言いました。
「よくぞ真実を語った。この布を倍の値で買い取りたい」
そして、さっきのうそつき商人の布を返すように命じ、正直な商人の布を大切に保管させました。
召使いたちがふしぎそうにたずねると、王様はこう言いました。
「宝よりも大切なのは、誠実さだ。国を守る者には、物の価値だけでなく、人の心を見る目が必要なのだよ」
こうして、王様は正直な商人をほめたたえ、国の多くの人びとが「真実の力」を学ぶことになりました。
この賢い王こそが、仏陀の前世のお姿だったのです。
仏さまは、過去の生でも知恵と慈しみの心をもって、正しい者を導いていたのでした。
おしまい。
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