「赤い魔女と黄金の鳥」(The red witch and the golden bird)- ポーランド
昔々、ポーランドの広大な森の奥深くに、赤い魔女と呼ばれる魔女が住んでいました。
彼女は長い赤いローブを身にまとい、髪も血のように赤く輝いていました。
彼女の魔法は強力で、誰も彼女の力に逆らうことはできませんでした。
そのため、村人たちは彼女を恐れ、近づかないようにしていました。
しかし、赤い魔女には一つだけ欲しいものがありました。
それは、「黄金の鳥」という美しい鳥でした。
その鳥は、羽が黄金のように輝き、歌声は聴いた者の心を清めると言われていました。
赤い魔女はその鳥を手に入れるために、長い間森を歩き回り、探し続けていたのです。
ある日、魔女はついにその鳥を見つけました。
黄金の鳥は美しい木の上で羽を広げ、歌を歌っていました。
鳥の歌声は、まるで天使のように清らかで、赤い魔女もその美しさに心を奪われました。
「やっと見つけた…」赤い魔女は静かに呟き、黄金の鳥に近づきました。
「お前を手に入れることができれば、私の力はもっと強くなるだろう。
」
しかし、黄金の鳥は魔女に近づかれると、すぐに飛び立って逃げてしまいました。
赤い魔女はその速さに驚きましたが、すぐに追いかけました。
「待て!
私はお前を手に入れる!
」と叫びながら、赤い魔女は魔法を使いました。
魔女の周りには赤い炎が燃え、空中に魔法の力が渦巻きました。
しかし、黄金の鳥はその魔法を避け、さらなる速さで飛び続けました。
赤い魔女はその鳥を捕まえるために、さまざまな魔法を使いましたが、黄金の鳥はそれらをすべてかわしていきました。
魔女は次第に焦りを感じ、怒りが込み上げてきました。
「どうしてお前は捕まらないのだ?
」魔女は叫びました。
そのとき、鳥がふっと止まり、赤い魔女の前に舞い降りてきました。
鳥は静かに魔女を見つめ、やがてその美しい羽を広げて言いました。
「私はただの鳥ではありません。
私は、この森の守り神であり、魔法の存在です。
あなたの力がどれほど強くても、私を捕まえることはできません。
」
赤い魔女は驚きました。
彼女は魔法の力に頼るあまり、本当の意味での力を見失っていたのです。
鳥は続けました。
「あなたが望んでいるものは、力だけではありません。
本当の力とは、他者を思いやる心と、共に生きる力なのです。
私はあなたがそれに気づくことを願っています。
」
赤い魔女はその言葉を聞いて、しばらく黙っていました。
彼女は自分がどれほど孤独に過ごしてきたかを思い出しました。
長い間、力を求めていたけれど、本当は誰かと心を通わせることを忘れていたのです。
「あなたの言う通りかもしれません。
」魔女は静かに答えました。
「私はずっと自分だけで生きてきましたが、今はその孤独に気づきました。
」
黄金の鳥は穏やかな目を向けて言いました。
「もしあなたが本当に変わりたいと思うのであれば、私と一緒に森を守り、みんなと共に生きる力を学んでください。
」
その瞬間、赤い魔女は自分の中に新たな希望を感じました。
彼女は黄金の鳥に微笑み、「私はあなたの教えを受け入れます。
これからは力だけではなく、心を大切にします。
」と言いました。
それからというもの、赤い魔女は村人たちと友達になり、森を守る役目を果たしました。
彼女は力を使うことなく、心で感じたものを大切にし、村を助ける方法を学びました。
黄金の鳥もその後、赤い魔女の近くに住み、共に森の平和を守り続けました。
そして、赤い魔女は決して孤独ではなくなり、心からの幸せを感じることができました。
おしまい。
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