「銀のランプ」(The Silver Lamp)-モロッコ
他言語版
昔々、モロッコの広大な砂漠の街に、アリーという若者が住んでいました。
アリーは貧しいながらも、心優しく、毎日一生懸命に働いていました。
しかし、生活は厳しく、いつも満足に食べることができず、家族を養うのが精一杯でした。
ある日、アリーは街の広場でふと不思議な光を見つけました。
それは、砂に埋もれた銀色のランプでした。
ランプを拾い上げたアリーは、その美しさに驚きました。
ランプは古びているものの、まるで新しく磨かれたように輝いていました。
アリーはランプを大切に持ち帰り、家で掃除を始めました。
その瞬間、ランプから煙のような霧が立ち上り、やがて霧が形を変えて、巨大なジンが現れました。
ジンは天高くそびえるような姿で、目を見開きながらアリーに話しかけました。
「ありがとう、若者よ。
私は長い間、このランプの中に閉じ込められていた。
今、自由になったお礼として、君に三つの願いをかなえてやろう。
」
アリーは驚きながらも、すぐに考えました。
心の中で何を願うべきか、そして何が最も大切なのかを考えました。
まず最初に、アリーは言いました。
「私の家族が食べ物に困らないように、毎日食べ物が届くようにしてください。
」
ジンはうなずき、手を振ると、瞬く間にアリーの家には豊かな食料が山のように届きました。
アリーは目を見開き、家族と共にその食べ物を分け合いながら感謝しました。
次にアリーは言いました。
「私たちが住む街を、もっと豊かで幸せな場所にしてください。
皆が健康で、平和に暮らせるように。
」
ジンはまた手を振り、街は一変しました。
道は広く清潔になり、家々は明るく輝き、人々は笑顔で過ごしていました。
病気の人々は癒され、街は一気に活気を取り戻しました。
最後にアリーは少し考え、こう言いました。
「私はもう十分に幸せです。
でも、もしよければ、このランプを他の人にも使わせてあげたい。
誰かが困っているときに、このランプを使えるようにしてください。
」
ジンは微笑んで言いました。
「君の心はとても優しいな。
願いが叶った後、このランプは君のものでもあり、誰でも使えるようになるだろう。
」
その瞬間、ランプは再び輝きを放ち、ジンの姿は静かに消えました。
アリーはその後もランプを大切に保管し、街の人々と共に幸せに暮らしました。
ランプは、困った人々を助けるために使われ、街はますます繁栄していきました。
アリーは今でも、ジンからもらった三つの願いがいかに大切なものであったかを心に留め、他の人々を思いやりながら生きているのです。
おしまい。
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