「鏡の王女」(La princesa del espejo)-スペイン
他言語版
昔々、ある王国に、美しい王女が住んでいました。
その王女は、誰よりも優れた美しさを持っており、誰もがその美しさを称賛しました。
しかし、王女はその美しさにすっかり自信を持ちすぎて、鏡の前から離れることがありませんでした。
ある日、王女はいつものように鏡を見て、自分の美しさにうっとりと見とれていました。
そのとき、鏡の中から不思議な声が聞こえてきました。
「お前の美しさは素晴らしい。
しかし、真の美しさは外見だけではない。
」王女はびっくりして振り返りましたが、そこには誰もいません。
ただ鏡の中に自分の姿が映っているだけです。
その声が続けて言いました。
「もしも本当の美しさを知りたければ、鏡を一度離れ、心の中の美しさを見つけなさい。
」王女はその言葉に驚きましたが、心のどこかでその言葉が気になり始めました。
次の日、王女はいつものように鏡を見ようとしましたが、その前にふと立ち止まりました。
「本当に心の中の美しさを見つけることができるのだろうか?」と思いながらも、王女は一歩踏み出し、城の庭に出かけることに決めました。
庭に出ると、王女はたくさんの花々が咲き誇っているのを見ました。
色とりどりの花々は、それぞれが自分の美しさを持ち、どれもが輝いていました。
そのとき、王女はふと気づきました。
「花々は美しいけれど、その美しさは外見だけではなく、花が咲くためにどれだけの時間と努力をかけたのだろう。
」王女はそのことを思いながら歩きました。
次に王女は、庭の池のほとりに座っている老いた亀を見つけました。
亀はゆっくりと水辺を歩いていました。
王女は亀に近づき、尋ねました。
「亀さん、あなたはこんなにゆっくりと歩くのに、どうしてそんなに幸せそうに見えるのですか?」亀は微笑みながら答えました。
「幸せは速さではなく、心の落ち着きにあるのじゃよ。
」王女はその言葉に心を打たれました。
亀がゆっくりと、穏やかな心で生きていることが、彼の幸せの理由だということがわかりました。
王女はその後、城へ戻り、自分の部屋の鏡を見つめました。
鏡の中の自分が以前よりも少し違って見えました。
外見の美しさだけではなく、心の中にある温かさや思いやりが、今、少しずつ表れてきているような気がしました。
王女は鏡の中の自分を見つめながら、心の中でこう誓いました。
「本当の美しさは、外見だけではなく、心の美しさだと気づいた。
これからは他の人々を思いやり、優しさをもって生きよう。
」
それから王女は、城の住人や周りの人々に対して、心からの優しさと思いやりをもって接するようになりました。
彼女は鏡を見つめる時間が少なくなり、周りの人々を大切にすることに幸せを感じるようになったのです。
そして、王女はその後、王国の人々に愛され、尊敬される存在となり、心の美しさが外見にも現れることを証明しました。
おしまい。
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