「魔法のツリー」 (magic tree)- アフリカ
昔々、広大なアフリカの大地に、特別な木がありました。
その木は「魔法のツリー」と呼ばれていて、誰もその木を見たことがなかったのです。
しかし、伝説によれば、魔法のツリーは一度見つけた者に、どんな願いでも叶えてくれると言われていました。
ある日、村の若者であるキラという男が、父の言葉を思い出しました。
「魔法のツリーを見つけ、君の願いを叶えなさい。
」父は若い頃にその木を見つけることを夢見ていたのです。
キラはその話を胸に、決意を固めました。
「僕もその木を見つけて、家族を幸せにしよう。
」
キラは村を出発し、長い間歩き続けました。
ジャングルの中を抜け、乾燥した草原を越えていきました。
何日も何日も、キラは歩き続けましたが、魔法のツリーは見つかりませんでした。
ある日、疲れ切って一休みしていたキラは、遠くに不思議な光を見つけました。
それは、青く輝く光が木々の間から漏れているようなものでした。
キラはその光に引き寄せられるように進んでいきました。
すると、そこに美しい木が立っていました。
その木の幹は金色に輝き、葉っぱは鮮やかな緑色をしていました。
まさに、伝説に聞いた「魔法のツリー」でした!
キラは驚きと興奮でその木の前に立ちました。
木の根元には、透明な水が湧き出しており、その水面に映る木の姿がまるで夢のようでした。
キラは木に向かって言いました。
「魔法のツリーよ、僕の願いを叶えてください。
家族を幸せにし、村を豊かにしたいのです。
」
すると、木が優しく揺れ、低い声で答えました。
「キラ、君の願いは本当に大切なものだ。
しかし、願いをかなえるには、君の心の中にある『本当の願い』を見つける必要がある。
」
キラは少し戸惑いました。
「本当の願いって、どういうことですか?
」
木はさらに優しく答えました。
「君が本当に大切に思っていること、それが本当の願いだよ。
それを見つけるためには、まず自分をよく知り、周りの人びとを思いやりなさい。
」
キラはしばらく考えました。
彼の心に浮かんだのは、家族や村の人びとの笑顔でした。
自分が豊かになることではなく、皆が幸せであることが、キラの本当の願いだと気づきました。
「僕が本当に望んでいるのは、皆が幸せで、困っている人がいない世界です。
」キラはそう言いました。
その言葉を聞いた魔法のツリーは、さらに輝きを増し、キラに向かって言いました。
「君の心が本当に純粋で、他者を思う心が強いことを感じた。
君の願いは叶えられるだろう。
」
その瞬間、ツリーの枝から一枚の葉っぱが舞い降り、キラの手のひらに優しく乗りました。
葉っぱは金色に輝き、キラはその葉っぱを大切に握りしめました。
「この葉っぱを持って帰りなさい。
」と魔法のツリーは続けました。
「君が家族と村に帰った時、この葉っぱが皆を豊かにし、幸せをもたらすだろう。
」
キラは感謝の気持ちでいっぱいになり、葉っぱを大切に胸に抱えて村へと戻りました。
村に帰ると、たくさんの人びとがキラを迎えてくれました。
キラが葉っぱを広げると、村はたちまち豊かな土地となり、飢えや困難に悩むことはなくなりました。
すべての人びとが幸せに暮らすことができたのです。
そしてキラは、自分の願いが叶えられたことを心から感謝し、魔法のツリーが教えてくれた「本当の願い」を忘れずに生きることを誓いました。
おしまい。
シェア