「魔法の椅子」(The magic chair)- ロシア
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昔々、ロシアのとある小さな村に、イワンという若者が住んでいました。
イワンは誠実で働き者でしたが、村の人々と比べて少し不器用で、なかなか幸せを手に入れることができませんでした。
ある日、イワンは深い森の中を歩いていると、古びた小屋を見つけました。
小屋の扉を開けると、中には見たこともないような美しい椅子が一脚ありました。
椅子は金色に輝き、背もたれには奇妙な模様が刻まれています。
イワンは興味を持ち、椅子に近づいて座ってみました。
すると、椅子はふわっと軽くなり、イワンはどんどん空高く舞い上がっていきました。
目を閉じると、イワンはもう地上にいることはなく、雲の上に座っていたのです。
「この椅子は魔法の椅子だ」と、イワンは気づきました。
「ただ座るだけで、どんな場所でも行けるんだ!
」
椅子がイワンを持ち上げると、彼は夢のような世界へと飛んでいきました。
最初に訪れたのは、雪に覆われた山々の中でした。
イワンは冷たい風を感じながら、椅子に座ったまま山頂に降り立ちました。
そこには、雪の精霊が住んでおり、イワンを歓迎してくれました。
「あなたが持ってきた椅子は、私たちの世界にぴったりです」と、雪の精霊は微笑みました。
「この椅子には、すべての世界をつなぐ力があるのです。
どうぞ、この力を正しく使ってください。
」
その言葉に従って、イワンは椅子を大切に使うことを誓いました。
次に椅子に座ると、今度は大きな海の上に浮かびました。
海の精霊たちが現れ、イワンに美しい貝殻のアクセサリーを贈りました。
「あなたの冒険が、さらに素晴らしいものになるように」と、精霊たちは言いました。
イワンは椅子を使って、様々な不思議な場所を訪れ、そこで数多くの経験を積んでいきました。
椅子はどんな危険からもイワンを守り、彼を安全に導いてくれました。
山の頂上、深い森、広い海、さらには天空の王国まで、イワンは魔法の椅子と共に多くの冒険を続けました。
ある日、イワンは帰りたくなり、椅子に座って村へと戻ることにしました。
椅子が村の近くまで飛んで行くと、イワンはすっかり成長し、自信に満ちていました。
村人たちは彼の帰りを喜び、イワンは自分の冒険の話をみんなに話しました。
その後、イワンは魔法の椅子を村の広場に置き、誰でもその椅子に座ることができるようにしました。
ただし、椅子を使う者は、心の中に善意と冒険心を持っていることを忘れないようにと教えました。
イワンはそれからも村で幸せに暮らし、魔法の椅子はその後も村人たちに愛され、何世代にもわたって語り継がれました。
椅子は今でも、正しく使えば素晴らしい冒険へと導いてくれると言われています。
おしまい。
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