「黄金の姫と雷の王」(The Golden Princess and the King of Thunder)-スペイン
昔々、スペインの広大な王国に、美しい黄金の姫、イサベラが住んでいました。
彼女は王国で最も美しく、心優しい姫として知られ、人びとに愛されていました。
その名の通り、姫の髪は黄金のように輝き、太陽の光を浴びるとまるで宝石のように輝きました。
しかし、姫には一つ大きな悩みがありました。
それは、王国の土地が長い間干ばつに苦しんでいたことです。
イサベラ姫は、農民たちが作物を育てられず、川の水も干上がってしまったことを心配し、王国の未来を守るために何とかしなければならないと感じていました。
王国の賢者たちに相談したところ、彼らはこう言いました。
「この地を救うためには、雷の王、トロヴァスを訪ね、彼から雷の力を授けてもらわねばなりません。
彼は天の王であり、雷を操る力を持っています。
だが、トロヴァスの住む山は誰も近づいたことがなく、彼の王国は恐ろしい雷に包まれているため、容易にたどり着くことはできません。
」
姫は決心しました。
王国を救うため、恐れを知らずに雷の王、トロヴァスのもとへ向かうことを決意したのです。
彼女は王国を後にし、長い旅路に出発しました。
旅の途中、イサベラ姫は険しい山々を越え、暗い森を抜け、激しい嵐にも立ち向かいました。
途中、姫を助ける者はいませんでしたが、彼女の心は強く、王国のために決して諦めませんでした。
ついに、雷の山の頂上にたどり着いた時、突然、雷の王トロヴァスが現れました。
彼は空高くそびえる巨大な王で、体は雷のように光り輝き、耳をつんざくような雷の音が響き渡りました。
トロヴァスは姫を見下ろし、冷たく言いました。
「なぜ、この私の雷の山に来たのだ、姫よ?
」
イサベラ姫は一歩も引かず、毅然と答えました。
「私の王国は干ばつに苦しんでおり、すべての命が危機に瀕しています。
雷の王、あなたの力があれば、この地に雨を降らせ、王国を救うことができると聞きました。
どうか、私にその力を授けてください。
」
トロヴァスは姫の瞳をじっと見つめ、しばらく黙っていました。
その後、彼は口を開きました。
「私の雷の力を授けるには、試練を乗り越えなければならない。
だが、君が本当にこの力を使うに値する者かどうか、私は見極めなければならない。
」
トロヴァスは、姫に三つの試練を与えることを決めました。
最初の試練は「雷の岩」を登ること。
次に、「雷の風」に打たれながら進むこと。
そして最後の試練は、「雷の火」を超えることでした。
それぞれの試練は、非常に危険で恐ろしいものでしたが、姫は決して諦めませんでした。
最初の試練、雷の岩では、岩が激しく震え、雷のように光り輝く岩が姫を攻撃してきました。
しかし、姫は冷静に岩をよけ、最後には頂上にたどり着きました。
次に、雷の風では、猛烈な風と稲妻が姫を襲いましたが、姫は風に抗い、しっかりと足を踏みしめて進みました。
そして最後の試練、雷の火では、目の前に燃えさかる火の壁が現れました。
姫は恐れることなく、その火を越えるために、無心で駆け抜けました。
すべての試練を乗り越えたイサベラ姫は、ついに雷の王、トロヴァスに見事に認められました。
トロヴァスは、彼女の勇気と意志の強さを讃え、ついに雷の力を授けることを決心しました。
「お前は王国を救うにふさわしい者だ。
お前のために、この雷の力を使おう。
」トロヴァスは言い、姫に雷の力を与えました。
姫が雷の力を受けると、空は暗くなり、雷が鳴り響きました。
その力によって、干ばつが解消され、王国には豊かな雨が降り注ぎ、枯れた大地が蘇りました。
作物は芽を出し、川は水で満たされ、王国は再び豊かさを取り戻しました。
イサベラ姫は、王国に帰ると、雷の王トロヴァスから授けられた力を使って、王国を幸せと繁栄へ導きました。
人びとは姫の勇気と知恵を称賛し、姫はその後、ずっと王国を治め、平和で豊かな時代を築きました。
そして、雷の王トロヴァスは、遠くの山に戻り、空の王として雷を支配し続けました。
しかし、イサベラ姫とトロヴァスの間には、永遠に続く友情と尊敬の絆が生まれました。
おしまい。
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