ポルトガルの迷信
ポルトガルでは、カトリックの影響と古来の民間信仰が交錯する中で、さまざまな迷信が人々の間で信じられています。縁起のよい迷信の一つに、「コインを手渡しせず、テーブルなどに置いて受け渡すと金運が上がる」というものがあります。これは、お金のやりとりに直接的な“エネルギー”を介さないことで富を逃さないという発想に由来しています。また、元旦に履く下着の色にも意味があり、たとえば青は平穏、赤は情熱、黄色は金運を呼ぶとされていて、新年に願いを込めて選ぶ人も少なくありません。
一方で、不吉とされる迷信も数多く存在します。たとえば、塩をこぼすのは不運の兆しとされており、こぼした場合は左肩越しに少量を投げて悪運を払うという行為が推奨されます。この迷信はヨーロッパ各地に共通して見られますが、ポルトガルでは特に食卓を神聖な場とみなす文化背景がその信仰を強めています。また、家の中で傘を開くと不幸を招くという信仰もあり、これはキリスト教的な「神の加護を拒む行為」と結びつけられています。
また、家の中で傘を開くと不運や死を呼び寄せると信じられており、特に年配の人々の間ではこの迷信を大切に守っている人が多く見られます。西洋全体でも知られている「13日の金曜日」は、ポルトガルでもやはり不吉な日とされており、この日に旅行や重要な決断を避ける人も少なくありません。さらに、黒猫が目の前を横切ると不幸が起こるという考えも根強く残っていて、夜道などでは特に気にする人がいます。壊れた鏡は7年間の不幸をもたらすという迷信も広く信じられており、鏡を割ってしまうと不安になる人もいるほどです。靴をテーブルの上に置くことは死を連想させ、不運を招くとされているため、日常的に避けるべき行為と見なされています。そして、パンを裏返しに置くと不運の前触れとされており、パンは神聖な食べ物として敬意を払うべき対象であるという意識が今も根強く残っています。
こうした迷信の多くは、中世ヨーロッパの教会の教えや異教的な風習が融合したものであり、人々は日常のなかで意識的にこれらを避けたり、逆に取り入れたりすることで運命をコントロールしようとしてきました。現代のポルトガルでも、特に高齢層を中心にこれらの迷信は根強く残っており、地域や家庭によっては生活のリズムに組み込まれている例も見られます。
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